ADaM Specを書こう!(1)Define.XMLとは
CDISC案件なら避けて通れないADaM Spec。そのADaM Specを作成するために必要な,Define.XMLの知識をまとめます。
ADaM Specとは?
ADaMデータセットの仕様書(specification)のこと。
ADaMの種類や,ADaMに持たせる変数(例:USUBJID, AVISIT, PARAM等)の導出方法,文字変数と数値変数の関係を表すCODELIST等を記載します。
ADaM SpecはExcel形式で作成することが多いですが,CDISC電子申請時にはDefine.XMLに変換して提出します。
そのため,ADaM Specの書き方を身に付けるには,Define.XMLの知識が不可欠です。
そこで,今日はADaM Specを作成するために最低限必要なDefine.XMLの知識をまとめます。
Define.XMLとは?
CDISC電子申請の際に,SDTMやSEND,ADaMデータセットの仕様を当局に提出するために作成する,XML形式*1のファイルです。
なお,CDISC Define-XMLチームの『Define-XML仕様書バージョン 2.0』には次のように書かれています。
Define-XML の目的は、コンピューターが解読できるフォーマットで臨床研究アプリケーションによるデータセットのメタデータ交換をサポートすることである。Define-XML の重要な用途は、CDISC の SDTM、SEND、または ADaM フォーマットで臨床試験データの規制当局への申請をサポートすることである。
Define.XMLの特徴
一言で言うと,「むちゃくちゃリンクを飛ばす」ことです。
例:
- ADaM変数にフォーマットを割り当てる → Define.XMLでフォーマット名をクリックすると,CODELISTの該当部分に飛ぶ
- ADaM変数のDerivation欄でSAPを参照している→ Define.XMLで「SAP」をクリックすると,SAPに飛ぶ
そのため,Define.XMLで正しくリンクが飛ばせるよう,ADaM Specの時点で書き方に注意が必要です*2。
Define.XMLの作り方
富士通のCDISC関連ツールを使う方法を紹介します。
私自身これしか経験がないのですが,他のツールを使ってるよ!という方がいらっしゃったら,ぜひコメントお願いします。
Define.XMLの作成に必要なもの
富士通が展開しているCDISC関連ツール
CDISCが配布しているもの
Define.XML作成手順
- ADaM SpecをExcelで作成する。ExcelのSpecテンプレートに直接記入する方法と,tsClinical Metadataで作成する方法がある。tsClinicalで作成する場合も,最後はExcel出力する。
- ジェネレーターで,Excel形式のADaM SpecをDefine.XMLに変換する*3。
- スタイルシートが置いてあるフォルダに,Define.XMLを保存。
- Define.XMLをダブルクリックして,Webブラウザーで綺麗に表示されるか確認。
- 最後に,Pinnacle 21でDefine単体のバリデーション,またDefineとADaMのバリデーションを取る*4。
Define.XMLを開いてみる
追記予定